みなさん、ギターの「ハーモニクス」って聞いたことありますか?
普段のギターの弦を弾く音とはちょっと違って、不思議で透き通った感じの音を鳴らすテクニックです。
ギタリストなら一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、使いこなせる人は意外と少ないかも。
この記事では、そんな「ハーモニクス」について、簡単に分かりやすく解説していきます!
1. ハーモニクスってなに?
ハーモニクス(Harmonics)は、ギターの弦に触れる位置や方法を工夫することで、特別な高い音を作り出すテクニックです。
普段、弦を押さえ込んで音を出すのとは違って、弦に軽く触れているだけで音が鳴ります。
特にエレキギターでよく使われますが、アコースティックギターでもクラシックギターでももちろん楽しめます。
音はとっても透明感があって、風鈴/ガラス/クリスタルのような響きがします。
普通の音よりも高く、まるで「ピンッ」と弾けるような音が特徴。
クラシックなギター曲から、ロックやポップスまで、ジャンルを問わず取り入れられていますね。
2. ハーモニクスの基本的な種類
ハーモニクスには、大きく分けて
「ナチュラルハーモニクス」
「ピッキングハーモニクス」
「人工ハーモニクス」という3種類があります。
まずは、この3つの違いを見てみましょう!
ナチュラルハーモニクス
ナチュラルハーモニクスは、ギターのフレットの特定の位置で簡単に出せるハーモニクス音です。
初心者でもすぐに試せるので、まずはこのテクニックから始めると良いですね。
基本的には、12フレット、7フレット、5フレットあたりでハーモニクスを出すことができます。
出し方は以下の通り:
- まず、例えば12フレットに指を置きますが、弦を押さえ込まないことがポイントです。
- フレットの金属部分に軽く指を触れるだけで、弾いた後すぐに指を離します。
- すると、キラキラしたハーモニクス音が出るはず!
12フレットのハーモニクスが最も出しやすいので、最初はここで練習するのがオススメです。
慣れてきたら、7フレットや5フレットでも挑戦してみましょう。
ピッキングハーモニクス
次に「ピッキングハーモニクス」です。
これはもう少し高度なテクニックで、主にエレキギターで使われることが多いです。
ギターの弦をピックで弾くときに、同時に親指の先を軽く弦に触れさせて音を出す方法です。
- ピックを持っている手の親指を、ピッキングと同時に軽く弦に当てるようにします。
- 親指が弦に触れる場所や角度によって、音の高さや響きが変わります。
- 強烈で鋭い音が出せるので、ロックやメタルのソロパートなんかでよく使われます。
エレキで音を歪ませないとこの音は中々でません。アコギやクラシックギターではほとんど使われることはありませんね。
ピッキングハーモニクスはコツが要りますが、マスターすればとてもクールな効果を出せるので挑戦してみましょう!
人工ハーモニクス
ハーモニクスは開放弦の場合12,7,5フレット付近が音が出やすいですが、左手でフレットを押さえた場合なりやすい箇所は押さえた場所に応じて変わります。
例えば1フレットを押さえた状態なら13,8,6フレット、
3フレットを押さえた状態なら15,10,8フレット、という具合ですね。
それを利用して左手は弦を押さえながら、右手人差し指で弦に軽く触れつつ右手中か薬指で弦を弾く方法を人工ハーモニクスと言います。
人工ハーモニクスは英語ではArtificial Harmonics、楽譜上では略してA.Hなどと表記されます。
3. なぜハーモニクスは不思議な音が出るの?
ギターのハーモニクスが不思議な音になるのは、実は物理的な原理が関係しています。
ギターの弦が震えるとき、通常は全体が一緒に動いて音を作りますが、特定の位置(フレット)の上で軽く触れると、弦の一部だけが分割して振動します。
これが「倍音」と呼ばれる音の元で、普段の音よりも高く透き通った音が出るんですね。
この原理はピアノやバイオリンなど他の楽器でも同じですが、ギターは特にこの効果が分かりやすく出せるので、面白いんですよね!
楽器に限らずお寺や教会の鐘、仏壇の前でチーンと鳴らす「りん」という道具も、倍音が豊かなので響きが美しいんですね。
4. ハーモニクスを実際の曲で使うには?
ハーモニクスは、ただ音を出すだけでなく、曲の中でアクセントとして使うことができます。
いくつかの曲や場面での使い方を見ていきましょう。
バッキングでのハーモニクス
ハーモニクスは、バッキング(伴奏)の中でちょっとしたアクセントとして使うと、とても効果的です。
例えば、AメロやBメロなど静かな部分で、ナチュラルハーモニクスをふんわりと入れることで、神秘的な雰囲気を演出できます。
ソロパートでのピッキングハーモニクス
激しいロックやメタルのソロパートでは、ピッキングハーモニクスが大活躍します。
高い音でギターが「ギャーン!」と響くようなインパクトのある音が出るので、クライマックスに最適。
例えば、ギターの速弾きの中でこのハーモニクスを織り交ぜると、迫力がグッと増します。
メロディとして弾くハーモニクス
ハーモニクスでメロディを奏でると、まるでオルゴールのような響きがしてとても良いアクセントになります。
ナチュラルの場合だと出せる音程が限られるのでアレンジや使い所が難しいですが、人工ハーモニクスも取り入れると自由に演奏することができます!
ギターの神様、トミーエマニュエルのAngelinaという曲のエンディングではハーモニクスでメロディが奏でられています。秀逸ですね!
5. ハーモニクスを練習するポイント
ハーモニクスは見た目以上に繊細なテクニックですが、いくつかのポイントを意識すれば簡単に出せるようになります。
- 指の力を抜くこと:特にナチュラルハーモニクスでは、弦を強く押さえないことが重要です。軽く触れるだけでOK!
- フレットの真上に指を置く:フレットのちょうど真上に指を置くことで、音がきれいに出ます。
- エレキギターなら歪みを加える:ピッキングハーモニクスは、アンプで歪み(ディストーション)を加えるとより強烈な音が出せます。
6. よくあるハーモニクスの疑問
最後に、ハーモニクスに関するよくある質問についても触れてみましょう!
Q. アコースティックギターでもハーモニクスは出せるの?
A. もちろん可能です!
ただし、エレキギターほど派手な音は出にくいですが、逆に柔らかく神秘的な響きが楽しめます。
Q. ハーモニクスがうまく出せない場合はどうすればいい?
A. 最初は音が出ないことも多いですが、指の置き方や触れる力加減を少しずつ調整してみましょう。
根気よく練習すれば、必ずキレイな音が出せるようになります!
まとめ
ハーモニクスは、ギターの表現の幅を広げるとても面白いテクニックです。
特にナチュラルハーモニクスは初心者でも簡単に始められるので、ぜひチャレンジしてみてください。
クリアで透明感のある音が出た瞬間、その魅力にハマるはず!
ギターを弾く楽しみがもっと増えるよう、ぜひハーモニクスをマスターしてみてくださいね!