みなさん、ギターっていつからある楽器か知っていますか?
今でこそ、ギターはロックやポップス、クラシックに至るまで、さまざまなジャンルで大活躍していますよね。
でもその歴史をたどっていくと、意外と奥が深くて面白いんです。
今回は、ギターの起源から現代のエレキギターまで、どんなふうに進化してきたのかをわかりやすく紹介します!
ギターの起源
ギターのルーツをさかのぼると古代エジプトにまで戻ります
古代エジプトの壁画には、弦楽器を演奏している人たちの姿が描かれていて、弦楽器がギターの原型と言われています
その後、ギターの祖先ともいえる「ウード」や「ビウエラ」といった弦楽器が登場します。
ウードは中東で発展し、ビウエラはスペインで生まれた楽器で、それぞれの地域で改良されながら人々に愛されました。
これらの楽器が後にスペインを中心に発展し、最終的にギターの形に近づいていきます。
中世ヨーロッパでの発展
中世のヨーロッパでは、ギターに似た楽器が次々と生まれました。
例えば、「ビウエラ」はスペインで人気があり、ビウエラを小型化した形のものも生まれました。
現在ではルネサンスギターと呼ばれています。
これらの楽器は、今日のギターとは形も音も違うものの、演奏スタイルや基本的な構造にギターの要素が少しずつ加わっていったんです。
似たような形状の「リュート」も近縁の楽器とされており、中世の時代に生まれたと言われています。
特に16世紀には、フレット(弦を押さえる部分)付きのギターがスペインで登場し、この頃から「ギター」という名称が広まってきました。
この時期のギターはまだ小さく、弦の数も4本と少なかったんですけど、これが徐々に今のギターに近い姿に変わっていくんですね。
アントニオ・トーレスとクラシックギターの確立
次に、大きな進化を遂げるのは18世紀から19世紀のこと。
この時期に入ると、ギターの人気はスペインからヨーロッパ全体に広がり、特にスペインのアントニオ・トーレスという製作家がギターの構造を改良して、今のクラシックギターに近い形にしたんです。
トーレスの功績はとても大きくて、彼が設計したギターは、それまでのギターに比べて大きく、豊かな音が出るのが特徴でした。
彼はギターの胴体を大きくし、内部の構造(特にブレイシング)を工夫することで、より響きの良い音を出せるようにしたんですね。
彼の設計したギターが、今のクラシックギターの基礎となり、現在のギターのスタンダードモデルに繋がっているんです。
アコースティックギターとフレデリック・マーチンの革新
19世紀後半になると、アメリカに渡ったドイツ生まれのフレデリック・マーチン(C.F. マーチン)が、ギターのさらなる進化を担います。
マーチンはアメリカにおいて、民謡やフォーク音楽の需要に応える形でギター製作を行っていました。
彼の最も重要な革新は、スチール弦の導入です。
スチール弦は、ナイロンやガット弦に比べてはるかに張力が強いため、ギター本体にも耐久性が求められました。
ここでマーチンが考案したのが「Xブレーシング」と呼ばれる構造です。
この内部構造により、強い張力にも耐えられるギターが実現し、スチール弦によるパワフルで鮮明な音色を奏でることが可能となりました。
マーチン社の「D-28」などのドレッドノートモデルは、音量も豊かで響きが強いのが特徴です。
特にブルース、カントリー、フォークなどの音楽で重宝され、アコースティックギターの新たなスタンダードとして広まっていきます。
また、マーティンだけでなくギブソン、日本ではヤマハやヤイリなどのメーカーがアコースティックギターを大量生産するようになり、一般の人たちにも手が届きやすくなりました。
これによって、ギターは特別な人だけが演奏する楽器ではなく、誰でも気軽に始められる楽器として広まっていったんですね。
エレキギターの誕生
そして、20世紀に入るとギターはさらに大きな変革を迎えます。
それが「エレキギター」の誕生です。
エレキギターが生まれる前、ギターはバンドで演奏するのが難しい楽器でした。
というのも、音量が他の楽器(ドラムとかホーンセクション)に負けてしまうからです。
この問題を解決するために登場したのがエレキギターで、それをビッグジャズバンドで使用したのがジャズギターの開祖:チャーリー・クリスチャンです。
エレキギターはピックアップという電磁装置を使って、弦の振動を電気信号に変え、アンプ(スピーカー)を通じて音を大きくする仕組みです。
現在のソリッドボディのエレキというよりも、アコギにピックアップをつけたりホロウボディだったりと、エレアコやフルアコに近いものが使われていたようです。
そして最初の商業的なエレキギターは1931年に「フライングパン」と呼ばれるモデルが発売されました。
続いてギブソンやフェンダーといったメーカーが1950年代にかけて
「レスポール」
「テレキャスター」
「ストラトキャスター」といったモデルを次々に発表しました。
この頃にはロックンロールが誕生し、エレキギターはその象徴となっていきます。
エレキギターが音楽に与えた影響
エレキギターの登場で、音楽のスタイルも一気に変わります。
50年代にはエルヴィス・プレスリー、やチャック・ベリー
60年代にはビートルズやジミ・ヘンドリックスといったアーティストたちが登場し、エレキギターを駆使した新しい音楽が次々に生み出されました。
また、エレキギターは音の表現力が豊かで、歪み(ディストーション)やリバーブなどのエフェクトを使うことで、今までにはないサウンドが生み出せるようになりました。
こうした音楽の進化に伴って、エレキギターはロック、ブルース、ジャズなど、幅広いジャンルで必須の楽器となっていきます。
現代のギター:デジタル技術との融合
21世紀に入ると、ギターはさらに新しいテクノロジーと結びついて進化しています。
今ではギターとデジタル機器を接続して、パソコンやスマートフォンで音色を変えたり、録音したりすることも簡単にできます。
エフェクトもデジタルで制御できるようになり、アプリやソフトウェアでギターアンプやペダルの音色を再現できるようになっています。
また、近年ではAI技術を活用したギターの練習アプリも増えており、初心者でも効率よく上達できる環境が整ってきました。
こうしてギターは、時代の流れとともに進化を続けているんですね。
まとめ
ギターの歴史を振り返ってみると、古代エジプトのリュートに始まり、クラシックギター、エレキギター、そしてデジタルとテクノロジーとの融合と、さまざまな変革を経てきたことがわかります。
今やギターは世界中で愛され、多くの人にとって身近な楽器となりました。
次にギターを手に取るときは、こんな長い歴史があることをちょっと思い出してみると、また違った視点でギターを楽しめるかもしれませんね!