用意するもの
LR Baggs Anthem 一式 穴あけドリル2mm、2.5mm (ピエゾ穴空けのため) 紙やすり(サドルの弦高調整と穴のバリ取りのため) 厚紙(後述のピックアップ音量バランス問題のためのシムとして) 替えの弦(切れた時のため、もしくは交換のため) 諦めない気持ち(すごい大事)設置スタート!

ピエゾピックアップ
まずはブリッジにドリルで穴を開けていきます。 僕のギターのブリッジスロットにはもともとピエゾ取り付けのための穴を開ける位置を「ここですよ」と教えてくれるように、丸くえぐれている部分がありました。 なので凹みを貫くようにドリルで穴を開けていきます。 (後述しますがピックアップの音量バランス解決のためにもう一つ穴を開けました。)

ジャック取り付け
買った状態のままだとエンドピンの箇所に設置するジャックは穴のサイズが小さくて入らないようです。 リーマーで穴を拡張するようですが、僕はLR Baggsの別のピックアップを取り付けたことがあったので、今回はこの作業は不要でした。 ボディの裏からジャックを通し、外側から薄い六角ナットのような部品を回して固定し、カバーをつけます。

コンタクトマイク



配線ホルダー
コンタクトマイク同様に両面テープで貼り付けて、配線をホルダーで括っていきます。
ホルダーの貼り付け位置やフックの向きも奥が深そうです。
この動画を見てフックの向きが揃っていないのが気になったので再調整しました。
電池ホルダー
ネックの底の位置へ両面テープで貼り付けます。

プリアンプ
プリアンプ(コントロールユニット)を両面テープで貼り付けます。


ピエゾピックアップ 音量バランスがバラバラ問題
一通り設置が終わってサドルをセットし、チューニングを合わせた後に問題が発覚しました。 音量のバランスが全然バラバラで、弾いていてとても違和感を感じます。
1弦 中
2弦 大
3弦 大
4弦 大
5弦 小
6弦 中
という感じのバランスですよね。
ピエゾ端子はサドルと端子が密着していないと振動がうまく端子に伝わらず、各弦の音量がバラバラになってしまいます。
そこでピエゾとサドルが密着しない原因を仮説立てて、下記1つずつ改善していくことで音量差を減らすことができました。
シム(紙)を挟む
音量差を考えると、おそらく5弦付近が密着していないので上手く振動が伝わっていないようです。 下図、黒がブリッジ、オレンジがボディ、青がピエゾ端子、赤がドリルで開けた穴として見てください。 左が1弦側、右が6弦側です。
改善されましたが今度は3弦の音小さくなりましたね…
個人的にはこの音量差は許せなかったので、穴の開け方から見直して根本的解決を図りました。
ピエゾを通す穴の開け方を斜めにする
僕は今回、最初に開けた穴はボディに対して直角、90度の角度でまっすぐ開けました。

FISHMAN × MARTIN
色々調べてみると、LR Baggsのようなソフトタイプのピエゾは先端が反応せず、かつ90度に曲げると隙間が空きやすいので下図のように穴を開けることがあるそうです。
穴のフチにバリが立って密着していない

ピエゾ端子が波打っている
これは作業方法というよりも、セッティングの仕方に近いかもしれません。 ピエゾ端子が柔らかいことを考えると、ただサドルを上から押し込むだけではその波打ちが原因で密着していない箇所がある、と仮定しました。


最終的な音量バランス
斜めに穴を開け、バリを取り、セッティングを工夫した最終的な音量のバランスはこちらです。
波形を見ると1~5弦まで徐々に音が大きくなり、6弦で音量が少し大きくなります。
視覚的にはそこそこのバランスが取れているように見えますし、聴いた感じとして上述した音量差から比べると良く改善されていると思います。
またギターの弦は1弦が細く6弦が太いため、6弦の方が弾いた時の音量は大きいと思います。
なので6弦にかけて徐々に音量が大きくなるのは弦の振動が適切にピエゾに伝わっている、つまりサドル/ピエゾ/ブリッジが密着しているということではないでしょうか。
(というよりそう考えて自分を納得させました。)
また、僕はソロギターを弾くことが多いのですが、親指の爪は短く切っていますし、サムピックもあまり使いません。
なので5,6弦が他の弦に負けないくらいしっかり鳴るのは個人的にはとても好都合です。
ストロークをするとしてもこの程度の低音の膨らみはイコライザーでカットすれば問題なさそうです。
サウンドレビュー
満足の行く設置ができたところで、実際どんな音で録音出来るのか、今回はストロークを録音してみました。 LR Baggs AnthemはピエゾとTru-Micのバランスをミックスすることが出来る仕様になっています。
順番に、
ピエゾ100%
ピエゾ2 対 Tru-Mic 1
ピエゾ1 対 Tru-Mic 2
Tru-Mic 100%
のミックスで録音しました。
ミックススライダーをTru-Mic100%に振っても、仕様的にピエゾの音が完全になくなることは無いようです。
ちなみにブリッジに穴を開けたり、ピエゾを敷いた事による生音への影響は無いとは言いませんが、ギタロー個人としては弦高や弦の劣化、ピックの方が音の出方に対する要因としては割合が大きい感じがします。
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